【登場】西春近北小学校校長 酒井照明さん(56)
教員生活35年目、校長職は初めてとなる。地域住民との関係を生かしながら地域全体で学校をつくることが願い。「権現山」を背にした自然環境に育まれた素直で純朴な同校の児童たちとの学校生活が始まった。
「私自身も、子どもたちも、職員も一人では生きていけない。地域のいろいろな人たちに支えられ、互いに支え合って学校をつくっていきたい」。
組織(学校)とは石垣のイメージだという。遠くから見ると一つだが、近くで見るとさまざさな石が組み合わさり、一つの石垣を作り上げていることが分かる。いろいろな人の持ち味を生かしていける教育現場にしたい竏窒ニの理念がそこにはある。
1973年、長野市の湯谷小学校で教員生活をスタート。15年間、4つの小学校で教べんを取るが中学校の美術教師を目指すため、武蔵野美術大学の通信教育を受けた。「中学校で、小学校を卒業していった児童たちはどのような生活をしているのか」との疑問が教員としての転機になったという。
反発する思春期の生徒たちに対し、始めは思うような指導ができなかった。教育方法や美術の授業のあり方などを自分に問うた。悩んだ時期があったからこそ、教育論や生きるための現在の考え方が生まれたと振り返る。
趣味は油絵を描くこと。伊那美術協会展、上伊那教職員美術展に毎年、作品を出品する。県展にも入選するほどの腕前を持つ。