花ろまん(14)
百花繚(りょう)乱花めぐりバス
スイセン、菜の花、桜、コブシを巡りて、花の中で1日は終る-。駒ケ根市観光協会の「ぐるっと駒ケ根花めぐりバス」の春の運行が4月8日から始まり、市内を中心に、観光客など多くの花好きの人気を集めている。各地のシダレ桜の銘木の下で「ここの花は:」「今年の花は:」と盛んに花評定。ひと山コブシの壮観に息を飲み、菜の花畑ではむせかえるような甘い香りに包まれ、チョウになって、ミツバチになって飛びまわる。バスの中は気のおけない同士が花談義で盛り上がる。花めぐりバスは今日も走る、花を求めて:(大口国江)
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今年は春、秋2シーズン、毎日運行
駒ケ根市内の花の名所をバスで巡る花めぐりバスは春(4月8日縲・月15日)と秋(10月10日縲・1月10日)の2シーズン毎日運行する。春は山里の桜、花桃、菜の花、コブシ、スイセンなど、秋は赤ソバの花、コスモス、キクなど、その日の天候や開花状況から1番良いスポットを、ボランティアガイドの案内でバスで巡る。
時間は午前10時縲恁゚後3時まで、駒ケ根ファームス内駒ケ根市観光案内所前発着。昼食は東伊那の駒ケ根シルクミュージアムで、農村女性グループ百笑塾のメンバーが腕によりを掛けたおふくろの味をたん能する。料金は3500円(昼食料を含む)完全予約制。
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昨年は38便を運行、延べ460人が乗車
花めぐりバスは昨年4月、早太郎温泉開湯10周年を記念する温泉郷感謝祭企画としてスタート。初年度は週2縲・回、4月12日縲・1月19日、60本の運行を計画。実質38本運行、乗車人員は1人から44人まで、延べ460人が利用した。
コースは春は大沼湖のザゼンソウ、ミズバショウ、吉瀬・栖林寺・西光・蔵沢寺・光前寺など各地のシダレ桜、馬見塚公園の桜とツツジ、花桃の里、宮田村北割の菜の花、中沢中曽倉の芝桜、オープンガーデン、松川町の泉龍院の藤。夏は伊那市のかんてんぱぱガーデン、伊那市深妙寺のアジサイ、南割公園のハッチョウトンボ、光前寺、養命酒、オープンガーデン。 秋は中川村の赤ソバ、飯島のコスモス畑、道の駅花の里いいじま、光前寺、オープンガーデン、しらび平、吉瀬のキク、養命酒などを巡った。
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コブシ、スイセン、シダレ桜、花桃、菜の花、百花繚(りょう)乱の春コース
この日(4月24日、26日)は20数人が乗車し、午前10時に駒ケ根ファームス前を出発。一路中沢中山のこぶしの里へ。ひと山、数百本のコブシが1度に咲く壮観に、参加者は「話には聞いていたが、すごい本数だね」と感嘆の声を上げた。
この後、バスは百々目木川に沿って、中沢中割のすみよしや休み処(宮下秀春店主)へ。一目500本の花桃が満開。宮下店主が川沿いに植栽した赤や白、ピンク、源平シダレが花のじゅうたんを作り、黄色のレンギョウ、芝桜の桃紫色が修景を整える。
花見客や写真マニアの多さに驚きながらも「物語に出てくる桃源郷とはこのような所かも」の声も。
中曽倉の人々が協力しあって植えた芝桜公園を見て、昼食場所の東伊那の駒ケ根シルクミュージアムへ。駒ケ根市の農村女性グループ「百笑塾」が手作りした昼食を囲んだ。この日のメニューは満開の桜をイメージした花巻き寿司、季節の天ぷら、アルプス地鶏の唐揚げ、季節の野菜の煮物、果物、澄まし汁など、彩りよく、栄養バランスにも配慮したおふくろの味に舌鼓を打った。
満腹で眠けを誘う午後のバス、1面黄色の波うつ菜の花畑に、一同覚せい。花畑にたたずんで「甘い香り、ミツバチになったみたい」とうれしそう。
車窓から光前寺参道に植えられた数百万球のスイセンや、35アールに100種類20万球が植えられた見本園も見て、「スイセンのまち、駒ケ根」を実感した。
この後、全国的に有名な光前寺のシダレ桜を見たり、苔むした石垣を覗きこんで、光りゴケも観察した。ボランティアガイドの説明で、七堂がらんの由緒ある建造物(仏)にも理解を深めた。
最後は桜吹雪の大沼湖へ。残雪の中央アルプスを眺めながら、ゆっくりと池の周りを散策。大きな葉を伸ばすザゼンソウ、白いさじ形の包が可れんなミズバショウ、別荘地のカタクリの群生も目にした。
飯島町から参加した山本幸子さんは「知ってはいたが、場所がわからなかった花の名所に来られて、本当によかった。お昼もおいしかった」。
名古屋市から友人と、花めぐりバスに乗るために来たという山口時代さんは「タウン誌で見て参加した。道中の芽吹き、花桃の里は最高だった」。
団体で参加した駒ケ根消費者の会の皆さんも「花桃の里が良かった。みんなでわいわい、言いながら楽しかった」といずれも好評。
ボランティアガイドの宮内栄一さんは「参加者は地元の人が中心。グループでおしゃべりを楽しみながら、1日花を見て歩き、リフレッシュしている。百笑塾の昼食も評判がいい」。山宮貞夫さんは「参加者は50代縲・0代後半の女性が多い。これからは中曽倉の芝桜、光前寺のシャクナゲが見頃になる」と話していた。
観光協会事務局の菊池由美子さんは「情報収集して、その日、1番良い花を案内するようにしている。ボランティアガイドは花の説明だけでなく、地域の特色、歴史など交えて、参加者に喜ばれている」と話す。
詳細・申込は駒ケ根ファームス内駒ケ根観光案内所(TEL81・7700)
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