熱田神社でBeautyを撮影
伊那市出身で、飯島町在住の後藤俊夫監督がメガホンを取る長編劇映画「Beauty(ビューティー)竏樗・オきもの」の撮影が5日、伊那市長谷にある国重要文化財の熱田神社であった。市内を中心に、約200人が地芝居を見る観客役で出演した。
映画は、主人公の木地師半次がシベリア抑留の過酷な戦争体験や親友の死などを経て地芝居を再興、継承していく物語。
撮影は、昭和30年代。シベリアから帰ってきた半次が親友雪夫が生きているか確認するため、見に行った地芝居のシーン。
盲目で死期が迫る雪夫の芝居に、観客役から盛んにかけ声やおひねりが飛んだ。
リハーサルでは、スタッフが観客役に「刀を振ったときに、威勢よくかけ声を」「おひねりは忘れずに」とアドバイス。声をかけるタイミングの難しさもあったようで、声をかけそびれてしまう場面もあった。
観客役の一人、東春近の女性(64)は、亡くなった母の着物を着て参加。「わずか数秒のシーンを撮るのにも、時間をかけて大変なこと。やっているうちに、だんだん熱が入ってきた。良い思い出になる」と話し、芝居の見せ場で大きな拍手を送っていた。