【保育士 石田裕樹さん】
駒ケ根市飯坂
駒ケ根市で2人目の男性保育士として昨年4月に採用され、市立美須津保育園で「すみれ組」(年中)の担任を務めている。
「女性ばかりの職場だけど、最初から特に戸惑いを感じることもありませんでした。家庭に父親がいるのと同じように、保育園にも男が必要だという気がしていますから」
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小さい頃から家の近くには年下の子どもたちがたくさんいた。彼らと一緒に楽しく遊びながら成長するうちに、自分でも意識しないうちに保育士を志していたという。
「いつからか覚えがないけど、保育士になりたいと思ってずっとあこがれていた。だから進路に迷いは全然ありませんでした」
高校卒業後、短大で必要な資格を取り、念願の保育士に。
「実際になることができたら何だか夢のような気がした。自分で本当にいいのかな竏窒ネんて思えてきて。でも子どもたちは初対面なのにすぐに寄って来てくれたし、たちまち名前を覚えて石田先生と呼んで懐いてくれた。思い描いていた通りの楽しい仕事でした」
もちろん楽しいことばかりであるはずがない。子どもたちがけんかをして泣いている時、どう対応していいのか困ることもあった。先輩に意見を聞いたり悩んだりしながらも、日々経験を積み重ねている。
「子どもたちは一人ひとり個性があってみんな違う。だから扱いは難しいが、そこにやりがいもある。子どもたちと同じ目線でいることで、自分も学んでいるんです」
心掛けているのは、なるべくしからないように竏窒ニいうこと。先輩に「しかるより褒めた方が子どもたちは伸びるよ」と言われたことが心に残っている。「もう一つはいつも笑顔でいること。うまくいかないこともたくさんあるけれど、生まれつき性格は明るい方なので何とかやっています。子どもたちの記憶に残るような保育士になりたいですね」
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自分が小さかったころに比べ、子どもたちの運動能力が落ちていると感じている。
「昔はゲーム機なんかなくてみんな外で遊んでいた。けがもしたけれど気にもしませんでした。今は車も多くなって危険が増したせいか、遊び場がすごく減ってしまった。これは子どもたちの将来を考えると本当に心配なこと。自分は運動が得意なので、小さいころの体験も生かしながら子どもたちの体力づくりに取り組みたい。とにかく丈夫な子に育ってほしいですからね」
(白鳥文男)