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175/(金)

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小田切恵子さんの

井月

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 伊那市西春近の木彫家、小田切恵子さんの一刀彫「井月像」を見せてもらった。竹行李を背負い、杖をつき前かがみになった姿、とろんとして切れ長の目が「にかっ」と斜に笑いながらもいやみがない、顔の表情が特にいい▼ほほ笑み地蔵、釈迦像、白狐、猫を抱く少女像、「雉(キジ)の夫婦」など長年、人間味のある慈愛を込めた数々の作品を見続けた私の目には「これはすごい、きっと、彼女の代表作の1つになる」と写った。「父の生き様を重ね、姿はこじきでも、崇高な精神を宿した井月の姿とともに精神性も彫り出したかった」という▼仏師の家系に生まれ、恵まれた感性と技術を持ちながらも、自己の生存の意義を問い続けた彼女の答がこの作品だったのでは(大口国江)

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