よりあい東春近会議がオオムラサキの郷づくりに向けた取り組みを開始
国チョウ「オオムラサキ」の舞う郷を実現しよう竏秩B東春近地区の有志でつくる「よりあい東春近会議(会員20人、戸田政光会長)は本年度、「オオムラサキの郷づくり」に向けた検討・調査を開始する。
田原区で確認されたことを皮切りに、東春近では松くい虫被害が徐々に進行。被害の拡大を防ぐため、各地で枯れたアカマツを伐採してきたが、そのあと地利用が課題の一つとなっていた。同会議でも、あと地について検討。その中でオオムラサキの幼虫のえさになるエノキを中心とした広葉樹を植樹し、オオムラサキの生息できる里山づくりができないかという話が浮上した。
オオムラサキは一部を除く日本全土に生息分布するタテハチョウ科のチョウ。クヌギやコナラなどの樹液をエサとし、広葉樹の多い里山などに多く生息している。
本年度の元気づくり支援金事業としても内定し、まずは地区内の松くい虫被害状況の把握や実際にオオムラサキが生息できる環境が整うのかなどを調査し、土地の所有者と交渉しながら試験的にエノキを植えていきたいとしている。今後は地区内の団体にも参加を呼びかけ、取り組みの輪を拡大していく。
戸田会長は「東春近は10地区の集合体だが、取り組みを通して地域が一つにまとまっていけたら」と話していた。
また、同地区には「日本鱗翅(りんし)学会」に所属してチョウの生態観測に取り組んでいる窪田勝好さんがいるため、窪田さんを講師に迎えた講演会を開催することも計画している。