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梅雨前に確認 伊那合同防災訓練

 伊那市と国土交通省天竜川上流河川事務所(駒ヶ根市)、県伊那建設事務所の3機関は22日、出水期を控え、大規模な洪水や土砂災害を想定した初の合同防災訓練を市内各所で開いた。関係職員や陸上自衛隊、伊那署、消防団など約20団体から550人が参加。ヘリコプターによる現地調査や災害現場の衛生中継のほか、地元住民の避難誘導などの模擬訓練を実施し、それぞれの役割分担や情報の共有方法などについて確認した。
 伊那市役所を主会場に午前10時から開いた訓練では、次々と本部に寄せられる災害情報を各職員らが共有しながら対策を講じる「ロールプレイング方式」で実施。中南部に停滞した前線の影響で3日間の総降雨量が400ミリとなったとの昨年、7月豪雨災害と同様の規模を想定した。
 高遠町、長谷地区では土砂災害(前兆現象)のある場所が4カ所確認されたとして実動訓練を実施。長谷保育園、小学校の園児・児童ら約140人が午前11時ごろから消防団らの誘導で長谷公民館へ避難した。同公民館には、市と災害応援協定を結んだ団体による救援物資が届いた。
 訓練が終了すると関係機関の代表者があいさつ。小坂樫男市長は「昨年の7月豪雨災害でも天竜川と諏訪湖がそれぞれ違う管轄のため情報の共有化が必要との反省点が出た。梅雨期を前に合同訓練が実施できたことは意義のあること」と話した。
 伊那市は今後も規模を変えて合同防災訓練を開いていくことを検討している。
伊那市役所を中心に実施した合同訓練の本部会場の様子
天竜川の堤防侵食を想定した実動訓練で関係者が大型土のうを積む(市役所前の天竜川)

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