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手打ちめんと食事処「藤よし」の店主、吉川定さん(67

おいしい物はだれが食べてもおいしい。

手打ちめんと食事処「藤よし」の店主、吉川定さん(67

 手打ちめんや吉川さんが自ら釣った絶品「アマゴの釜飯」が売りの「藤よし」、オープンから6年目を迎える。「おいしい物はだれが食べてもおいしい。おいしい物を食べてもらう努力をおしまない」。
 下伊那郡下久堅に生まれ。中学卒業後「うどんやにならないか」と誘われ、名古屋市のうどんやに弟子入り。22歳で独立、名古屋大学近くに手打ちうどんの店を出した。「20歳で出店したかったが、親方から今出られては困ると言われ、2年後、のれん分けしてもらった」。
 間口1間半、丸いす5つという小さな店だったが、すうどんとかき氷でもうけ、店を大きくしようと、呼続に移転し、結婚した。1978年、大型店に出店したり、小牧や春日井にも支店を出すなど事業を拡大し、食堂経営のほか、生麺、乾麺など麺類各種を販売した。冷凍麺も発売し好評だったが「こしはあるが、味がない」と気がつき、販売を中止した。製粉メーカーのホウトクと共同開発したそうめんやうどんが人気を呼び、爆発的に売れたとか。
 最盛期には年越しそばを1トンも打ったことがあった。「藤よしの麺類はおいしいけれど高い」とも言われたが「品物に自信を持っていたから、安売りしようとは思わなかった」。
 しかし、ストレスで目を悪くし、製麺業を若い甥に譲り、食堂1本にした。そのころから釣りを始め、体重も増え、目も良くなった。釣りをすることで、自然やふるさとに目が向くようになったという。
 01年6月、「自営業にも定年退職があってもいい」と、さっさと店を売リ払い「七久保は景色もいいし、飯田市や名古屋市が近く、交通の便もよい」と親せきの紹介で、単身飯島町七久保に移り、広域農道沿いの食事処「藤よし」は12月オープンした。
 人気メニューはうどん定食(うどんとコロッケ、中ライス)きしめん定食(きしめんとコロッケ、中ライス)、鍋焼きうどん、冷麦、手打ちそば。ざる中華など各種麺類のほか、山菜の天ぷら、アマゴの釜飯、アマゴの唐揚げ-など。
 ソバ粉は八ケ岳の石うすで引いたものを使い、うどん粉にもこだわる。「原料にこだわる、妥協しない。おいしい物はだれで食べてもおいしい」。
 アマゴは店主自ら伊那谷の渓流で釣った天然物と、店の裏の養魚池で、甲殻類の餌を与えて飼育した、食味のいい養殖のアマゴを提供している。
 客から要望があれば、よく釣れる穴場にも案内する。
 イワナは20センチ以下、アマゴは15センチ以下は釣り上げても放す。「木曽もよく釣れる。木曽は木がいい、山がいい。山がやせると、川もやせる、海もやせてしまう。川を見ることで、自然の状態が分かり、自然に学び、自然への敬虔な気持ちが生まれる」と話す。
 定休日・木曜日、営業時間午前11時30分から、詳細は藤よし(TEL86・6765)(大口国江)

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