認知症介護者のつどい講演会
認知症介護者のつどいが8日、伊那市の福祉まちづくりセンターであった。「認知症のひとと家族の会」長野県支部代表の関靖さんを迎え、認知症患者と向き合う家族の思いについて理解を深めた=写真。
市では毎月、認知症患者を支える家族などが情報交換をしたり、悩み相談してもらうことを目的とした「介護者のつどい」を開いている。今回は認知症やそのケアについて理解を深めてもらうための講演会を企画。15年間実母の介護をしている関さんを講師に迎えた。
関さんは、認知症は「ある日突然」というものではなく、日常の中にあるかすかな変化から始まっていると指摘。認知症の症状が本格的に始まっても、肉親だからこそ独特の思い入れがあり、なかなか直視できなかった自身の経験を示した。
また「当初は本人の不可解な行動を理性や理屈で説得させようとしていたが、次第にそうした努力が無駄であることに気付く中、あきらめや割り切りが必要だと気付いた」と徐々に変化していった思いを語り、今を受け入れること、介護者のゆとりが相手の心のゆとりにつながることなどを実感するようになったことを示した。