上伊那郷土館の閉館に合わせ、17日に特別公開
伊那市荒井区にある上伊那郷土館が秋、解体されるのに伴い、小中学校の教職員でつくる上伊那教育会は17日午後1縲・時、閉館式に合わせて館内を一般に特別公開する。
上伊那図書館後利用基本計画に沿い、郷土館を取り壊す。所蔵品は上伊那図書館へ移し、9月から工事に入る。跡地には空調設備のある収蔵庫棟(延べ床面積千平方メートル)を建設する。
すでに所蔵品をこん包するなど引っ越し準備が始まっているが、40年間にわたり、学術研究や郷土文化の発展の役割を担ってきた郷土館の閉館を知ってもらい、多くの人に足を運んでもらおうと企画。
当日は、南箕輪村の神子柴遺跡から出土した石器、笠原地区出土の元文小判、1913(大正2)年に駒ケ岳登山で遭難し、将棊頭山付近に遭難記念碑が建つ中箕輪尋常高等小学校長・故赤羽長重氏の遺品を展示。要望に応じ、教職員が説明する。
閉館式は午後1時から。移転の経過、展示出品者の話などがあり、一般参加できる。
郷土館は教職員らが寄付を募り、2千万円余をかけて建設、67(昭和42)年に開館した。鉄筋コンクリート造り3階建てで、延べ床面積820平方メートル。館内には考古、民俗、自然、芸術など数多くの資料が保管・展示され、専門委員会を設けて研究を進めてきた。国の重要文化財指定の神子柴遺跡石器群をはじめ、動植物の標本、美術品、古文書など幅広く、東京音楽学校初代校長・伊沢修二の著書、翻訳書、ノート、日記などもある。
来館する場合は、郷土館前庭に駐車できないため「いなっせ」駐車場などの利用を呼びかけている。
問い合わせは、郷土館(TEL72・6066)へ。