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1910/(土)

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親王伝説で交流、遠く2つの地を結んで

親王伝説で交流、遠く2つの地を結んで

 宮田村と奈良県五條市。遠く数百キロも離れた2つの地が、「他戸(おさべ)親王」という奈良時代の皇太子をキーワードに結ばれている。9日には親王をまつる五條市御霊神社の藤井治宮司が宮田村を訪れ、来月発売する地元の名水地ビール「梅が里麦酒」の採水神事で斎主をつとめた。
 「暗殺されたと聞いていたが、宮田村に隠れ救われたのではと地元の人たちから数年前に話しを聞かせて頂き驚いた。それが本当なら何かホッとする気持ちです」。採水神事を厳かに終えた藤井さんは笑顔で話した。
 定説では政争に巻き込まれた親王は、母親の井上内親王とともに殺されたとされる。
 しかし、宮田村には親王が詠んだとされる和歌が伝わっており、村が・ス梅が里・スと呼ばれる由縁にも。
 「北御所」「上の宮」など関係した地名も今に残り、宮田村誌には「黒川上流の北御所には、光仁天皇の第三皇子(他戸親王)がかくれておられた」と記述する。
 村民有志でつくる村おこし実行委員会は親王の物語を創作。大型紙芝居もつくり、5年前から御霊神社の例祭に出演参加するようにもなった。
 「親王がもたらしてくれたつながり。今後も深めていければ」。相互の交流は始まったばかりだが、藤井宮司も期待を寄せる。

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