花ろまん(17)バラ(上)
伊南のオープンガーデン
バラ、そうび、しょうび、長春花などの別名を持ち、美と愛と純潔の象徴として、世界中の人々に愛され、「花の女王」として君臨し続けるバラ。
エジプトのクレオパトラはバラのかぐわしい香りでローマの英雄をもてなし、皇帝ネロは1夜の宴に10万ドルのバラを費やした。ルイ16世の王妃、マリーアントワネットはウィーンからフランスに輿入れする時、沿道の民衆に、高価なバラを振りまいて歓声を浴びた。ナポレオン1世の妃、ジョセフィーヌは財力と権力を駆使し、世界中のバラを収集した。そして、1951年サンフランシスコでの対日講和条約の席に飾られたのは「ピース」と名付けられたバラ。バラは歴史を彩る名脇役であり、言葉よりも雄弁である。今回は伊南地区のオープンガーデンの中から、バラの美しい庭を紹介する(大口国江)
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「バラ200種類が咲くイングリッシュガーデン」坂本克代さん(駒ケ根市福岡)
花びらが重なり合い圧倒的な存在感のマリアカラスと、青紫色のブルームーンが来客を迎える。アンジェラとサマースノーのアーチをくぐると、剣弁高芯の凛とした色鮮やかなモダンローズが並ぶ。
庭の外周は白いバラや白い草花など白で統一したホワイトガーデンになっている。
来園者にゆっくりと庭を楽しんでもらおうと、今年から有料(500円で茶・菓子付き)にした。入場料は市に寄付するとか。
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(駒ケ根市広小路)
駒ケ根市広小路の森文具店前に、今を盛りと咲き誇る約20鉢のバラの大鉢が並び、道行く人の足を止めさせている。
森明子さんが自宅のあるビルの5階屋上で、イングリッシュローズを中心に40鉢を育て、花の時期だけ店の前に並べる。
森さんは「屋上は風が強く、水やりが大変。イングリッシュローズは四季咲き、花形もよく、香りもいい」と話す。
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5月中旬から降霜まで、40種類が咲き続ける、中村昇子さん(飯島町居酒屋甲斐路)
店の前の壁面を覆うバラたち。ピンク、オレンジ、黄色、白と重なりあって壮観。
5月中旬に黄モッコウバラが咲きはじめ、バラの季節到来。続いて、白の一重、ナニワイバラが雪が降り積ったように咲く。一重のアンティシモ、花形が愛らしいアンジェラ。降霜まで咲き続けるスーパーエクセルゼなど40種類が次々と咲いて、店と庭を彩る。
挿し木をして、苗を作り、仲間と交換して品種を増やしたとか。
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「バラとユリ、宿根草などで絵になる庭に」平宮一恵さん(中川村片桐)
百坪余のバラとユリ、宿根草の庭。赤のつるバラのアーチをくぐると、家の壁面を彩る黄色やピンクなど、バラ、バラ:。50種類余のバラが庭のあちこちに混植されている。バラの足元に植えられたパンジーやジキタリス、ナデシコ、アリッサムなどの草花が混ぜん一体になって風景を創っている。
平宮さんは「自分自身を表現するのが庭。バラだけでなく、みんなが主役になる庭を目指した」と話す。
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レンガ塀からこぼれんばかり咲き匂うバラ、田中礼子さん(駒ケ根市小町屋)
レンガ塀からピンクやオレンジ、ベージュと個性豊かなバラがあふれんばかりに咲き誇り、登下校の子どもたちは花に顔を寄せて、香りを楽しんでいる。 2百坪余の広大な庭には80種類約百本のバラが育つ。モダンローズ第1号「ラ・フランス」、対日講和条約の席に飾られたという「ピース」など、由緒ある品種のほか、野イバラ、イザヨイバラ、ヨシノスズバラなど珍しい原種バラもある。
田中さんは「朝、花がら摘みをしながら、『きれいに咲いてくれてありがとう』と声を掛ける時が至福のひととき」と話す。
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