高校改革プランの今後の進め方について上農定時制振興会としては方向性示さず
上伊那農業高校定時制振興会(会長・小坂樫男伊那市長)の総会が21日、同校であった。08年度実施の新しい多部制・単位制高校に統合する準備が進む中、一部の委員からは「箕輪工業高校との統合について振興会としての方向性を示すべき」という声があったが、会の進行役を務めた副会長の北原明伊那市教育長は「振興会の本来的な意味と異なる」として、同会としては意思決定しない方針を示した。
総会に出席した白鳥保太郎定時制部会長代行はこの日、多部制・単位制となる現・箕輪工業高校に上農定時制が統合されることで懸念される交通面、教育環境面などの問題点を改めて指摘。「上農定時制の生徒にとって本当に良いことなのかどうかを検討し、一つの結論を出すべきでは」と意見を求めた。
これに対し北原副会長は「振興会の本来の主たる任務は現在いる生徒を経済的面から支援すること。県の施策に異議を申し立てる組織ではないと思う。個人的に定時制の存続を求めることは妨げないが、振興会としては意思決定して動くことはできかねる」とした。
現在同校については、同窓会定時制部会のメンバーが中心となって「上伊那農業高校定時制の存続を願う会」を発足し、県会や市議会に存続を求める陳情書の提出などをしているが、県が14日に「高校改革プランの今後の進め方」では、「箕輪工業高校の多部制・単位制高校への転換と上伊那農業高校定時制の統合は施設・設備を整備しながら08年度に実施する」という方針が示されている。