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1910/(土)

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南信初のエノログ(ワイン醸造技術管理士)に

南割区の秋山さん、村特産の山ぶどうワインにさらなる活力

南信初のエノログ(ワイン醸造技術管理士)に

 宮田村特産の赤ワイン「紫輝」の原料となる山ぶどう(ヤマソービニオン)を栽培する南割区の秋山泰久さん(69)が、全国で85人目、南信地方では初となるワイン醸造技術管理士(エノログ)の認定を受けた。認定を受けた人の大半はワインメーカーの社員らで、秋山さんのような個人は異色。「宮田村のワインが愛されるよう、今後も地道に取り組みたい」と話す。
 レストランなどでワインを給仕する「ソムリエ」に対し、栽培から醸造、流通までを熟知する品質管理者が「エノログ」。欧州では国家資格としての権威があり、ソムリエと同等以上に地位も認められている。
 日本では知名度が低かったが、ワイン技術の底上げに半世紀の歴史を持つ「葡萄(ぶどう)酒技術研究会」が昨年、資格認定を導入した。
 認定を受けた顔ぶれを見ると、サントリーやメルシャンなど、各ワインメーカーの社員がずらりと並ぶ。
 秋山さんは山梨大学で発酵生産を学んだ養命酒の元社員だが、設備設計畑を主に歩み、定年退職後に本格的にヤマソービニオンの栽培に取り組み始めた異色の経歴を持つ。
 3年以上の実務経験など厳しい選考を経て認定されたが、「紫輝」を醸造する本坊酒造信州工場=新田区=の藤野公宏工場長も「認定を受けるのはすごいこと」と驚く。
 20日夜、ヤマソービニオンを栽培する農家仲間らが祝賀会を開いた。秋山さんは「すぐにものすごい力を発揮できるわけではないが、皆さんと力をあわせ地元に愛されるワインに育てていきたい」とあいさつした。

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