わくわくトンボ観察会
世界最小(体長約2センチ)といわれるハッチョウトンボの生息地、伊那市富県新山の「とんぼの楽園」で24日、「わくわくトンボ観察会」があった。早朝から市内を中心に多くの人が訪れ、湿原でトンボを探した。地元住民でつくる「新山山野草等保護育成会」(中山智会長代行)の主催。2年目。
この日は悪天候のため、トンボが飛び交う姿は見れなかったが葉の下でじっとしている様子を観察した。講師の枝重夫日本蜻蛉学会会長(松本市)は「雨をしのぐ姿を見るのもよいこと。雄と雌とではまったく違う体の色を持っている特徴を見て」などと紹介した。
ハッチョウトンボのほか同楽園には、絶滅危惧種を含む30種類以上のトンボが生息。会と市は、遊歩道整備などを進め保護、観察の両立に努めてきた。本年は、観察会に向け、簡易トイレの設置や駐車場整備をした。
ハッチョウトンボの見ごろは8月中旬まで。
伊那市新山の地域住民でつくる「新山保育園・小学校を考える会」(若林敏明会長)は、同観察会に併せて「新山発見!親子ネコバスツアー」を開いた。市内から約60人の家族連れが参加し、同地区の豊かな自然環境を体感した。
同ツアーは、少子化が進む同地区の保育園、小学校の存続に向けて、地域の魅力を他地域に発信する取り組みの一環。地元住民が所有するボンネットバス(ネコバス)に乗って、「とんぼの楽園」へ向かった。
若林さんは「新山に一度も来たことのない人が多いことが分かった。この地域の魅力を肌で感じてもらう企画を継続したい」と感想。今後もボンネットバスを使って、キノコ狩りや魚釣りツアーなどの実施を検討していくという。