「純米大吟醸信濃鶴」が全国新酒鑑評会金賞
純米酒だけを造る駒ケ根市の酒蔵・長生社(北原久爾社長)の「純米大吟醸信濃鶴」が06年度製造の新酒を対象にした全国新酒鑑評会で金賞を受賞した。「コクはあるが重い」ともいわれる純米酒が金賞を受賞するのは極めて珍しいといい、関係者は純米酒一本の酒造りに懸けてきた同社の快挙達成に惜しみない賛辞を送っている。
酒類販売店でつくる伊那小売酒販組合第4支部(林文章支部長)は27日夜、受賞祝いを兼ねて日本酒の勉強会を長生社で開いた。会員ら17人が集まり、金賞の酒と同社のほかの酒を飲み比べたり、冷やした状態と常温での味わいの違いなどを比較しながら受賞の喜びを分かち合った=写真。
杜氏(とうじ)=酒造りの親方=でもある同社専務の岳志さんは「日本酒というのは本来が純米。だからこそ地元の米、水、人にこだわりながら純米酒だけを造っている。今回はたまたま良い酒ができたがノウハウの蓄積となるとまだまだ。来年以降も受賞できるよう、さらに研究していきたい」と話した。
同社の信濃鶴は過去、少量の醸造用アルコールを添加した吟醸酒で6年連続金賞受賞の記録を持っているが、杜氏を前任者から引き継いだ岳志さんの強い意志によって02年に純米酒への特化を決断して以降では初の受賞。
受賞した「純米大吟醸信濃鶴」(720ミリリットル瓶入り、希望小売価格4800円+税)は限定400本が上伊那南部の酒店で販売されている。