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【全国空手道選手権に出場 日本空手協会2段 竹村進さん】

駒ケ根市町四区

【全国空手道選手権に出場 日本空手協会2段 竹村進さん】

 日本空手協会主催・内閣総理大臣杯第50回全国空手道選手権大会(7月7・8日、東京都)組手団体の部に県代表として出場する。得意の上段突きで上位進出を狙う。
 「空手は面白いもので、試合をすると相手の性格や人間性がよく分かるんです。だが自分を見ると欠点ばかりに目がいく。性格が受け身だ竏窒ニかね」
 空手には多くの流派があるが、日本空手協会の組手試合は体重無差別で、ポイント制ではなく一本勝負。武道としての伝統を重んじた実戦に近いルールで防具もなし、攻撃は寸止めが特徴だ。
 「寸止めといっても止めるつもりで技を出していたんではスピードも切れもなく、全然駄目。心構えとしては目標を相手の体の数センチ手前におき、その点をめがけて全力で突き、けるんです。だから攻撃が相手に当たってしまうことも時にはある。自分も今までに何回か鼻などを骨折しました。だが、けがをしたのは相手のせいじゃない。受ける自分が未熟だっただけ」
 ◇ ◇
 空手を始めたのは意外に遅く、高校1年生の時。
 「本当は柔道をやりたかったんだけど、進学した高校に柔道部がなかった。そんな時に、誘われて空手協会駒ケ根支部の練習に参加したんです。初心者だったから小学生に交じって一から指導を受けました」
 持ち前の体力とスピードに加え、1、2時間も早く道場に来てけいこをする熱心さが実って短期間でめきめきと上達。わずか2年後の高校3年生の時には、全国大会でベスト8に入るまでになったが…。
 「あのころは血気にはやっていた。ケンカ強さだけで勝っていたようなもの。考え方が粗雑で、とにかく殴ればいい、ければいい竏秩Bそれで勝てば文句はないだろう、と思っていました」
 大学生の時に世界レベルの師範に教えを受け、厳しい指導の中から空手の奥の深さに気がついた。
 「空手道は殴る、けるだけじゃない。相手はいるが、最終的には自分との戦いだということ。勝った負けたではなく、ちょっとオーバーに言えば修行なんです」
 精神的な支柱が備わったことでさらに強さに磨きがかかり、大学2、4年の時には県予選を勝ち抜いて国体への出場も果たした。
 ◇ ◇
 現在はスポーツ少年団の指導者も務め、子どもたちに空手の楽しさ、厳しさを教えている。
 「空手にはある意味救われた。昔と違って自分の気持ちをコントロールできるようになったから。もし空手をやっていなかったら、今ごろは何の取り柄もない、どうしようもない人間になっていたと思う。目をかけてくれる人たちが周りにいたおかげです。自分は本当に人に恵まれています」
 (白鳥文男)

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