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あばれみこしに魂込めて
町三区の加藤建築、棟梁の技術受け継ぎ2人の職人が製作
伝統の祇園祭に向け作業順調

あばれみこしに魂込めて<br>町三区の加藤建築、棟梁の技術受け継ぎ2人の職人が製作<br>伝統の祇園祭に向け作業順調

 350年の歴史を誇る宮田村津島神社祇園祭を21日に控え、主役となる「あばれみこし」の製作が進んでいる。氏子3地区の大工が毎年回り番で担当するのがしきたりで、今年は町三区の加藤建築が当番。棟りょうの加藤政義さん(70)から伝統を受け継ぎ、林繁さん(53)太田善太郎さん(56)の2人が主に手がける。みこしづくりの後継者不足に悩みながらも「伝統を絶やしたくない」と魂を込める。
 祭りの最後に境内石段から男衆に投げ落とされ、粉々になるまで破壊される「あばれみこし」。それを変わらぬ姿でよみがえらせてきたのが宮田村の大工の伝統の技だ。
 林さん、太田さんは大工歴30年のベテランだが、みこしづくりに携わるのは林さんが3回目、太田さんは2回目。加藤さんをはじめ先輩から受け継いだ技術は頭や体に染み込む。壊れる運命にあるみこしだが、妥協は決して許さない。
 「ずっと作りたいと思っていたが、先輩がいたんで。やっと夢がかなうようになった」と2人は口をそろえる。
 一方で、みこしをつくる大工の中で最年少は林さんという現実問題もある。「俺たちだっていつまで作れるか分からない。そのうちに後継者が出てくるんじゃないかって期待もあるんだけど」。
 伝統を守る職人の姿。細かい作業に神経を使いながら「壊すんだけど、このみこしを後世につないでいきたいんだ」と話す。

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