上伊那ごみ処理問題学習講演会
上伊那広域連合によるごみ処理問題学習講演会が29日、伊那市役所であった。市民など約130人が集まり、日本環境衛生センター環境工学部課長の秋月祐司技術士から、最近のごみ処理技術の動向などについて学んだ=写真。
講演会は広域連合が伊那市内に建設することを予定している新しいごみの中間処理施設に対する一般市民の理解を深める目的で開催した。
秋月さんはごみ処理施設の処理方式などを具体的に説明したほか、周辺住民が懸念するダイオキシンや重金属の問題についても触れ、「ごみ処理施設はダイオキシンの分解向上と見られがちだが、煙突を通じてに大気中に出るダイオキシン量はわずか。それがまた数十万縲恊舶S万倍に希釈されるため、食べ物から摂取する量より少ない」とし指摘。重金属のガス化についても「排ガス処理施設に流入する排ガスは200度以下になっているため、重金属類は固体化する」として、ほとんどの施設で99パーセント以上の除去率となっていることを示した。
一方、すすやもえかすなどの微粒子(ばいじん)はこうした有害物質を多く含むため、屋内での積み込みや運搬中に飛散しないための最善策が必要であることを指摘。
また、用地の選定については住民の理解を得るためにはリスクコミュニケーションが重要であることを示し、「行政は安全という情報を伝えていくだけでなく、万が一何かあった場合のリスクに関する情報も正確に伝えていくべき」とした。