昭和伊南病院が今後の動向説明
整形外科、産婦人科、小児科の存続を心配する声が住民から上がっていることを受けて昭和伊南総合病院(千葉茂俊院長)と病院を運営する伊南行政組合(組合長・中原正純駒ケ根市長)は9日、駒ケ根市役所で開いた伊南行政組合議会全員協議会で病院の当面の動向と対応について説明し、伊那中央病院などと協力、連携して上伊那の地域医療を守るために全力で取り組んでいきたい竏窒ニする方針を示して理解と協力を求めた。
同病院では整形外科の常勤医師がこれまで4人体制だったのに対して、新規開業や派遣元の信州大の異動で他病院に移るなどの理由で3人の医師が6月から相次いで減少。8月末には1人となる。これにより複雑な手術や長期入院が困難になることから、患者をほかの病院に紹介したり、重傷の救急搬送患者は伊那中央、飯田市立の各病院に受け入れてもらわざるを得ない状況となる。
産婦人科は、常勤医師2人を派遣している信州大が08年3月での引き揚げを決めたことで以降の常勤医師はゼロとなる見込み。当面は臨時(パート)の医師でしのぐ考えだ。引き揚げは信州大でも深刻化が進む医師の絶対数不足からやむを得ない措置として決定され、通告を受けたもの。
小児科は3人体制だった医師が今年4月から2人となっているが、引き続き現状維持に努めたいとしている。
日直についても医師数の不足により5月以降、近隣の開業医の協力を得て何とか遣り繰りしている。
中原組合長は「この状態では地域医療は守れない。経営的なことも含め、将来は上伊那広域で、場合によっては飯田との連携も視野に入れながらやっていくべきだ」として、広域連携の必要性を強調した。