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南箕輪村北殿
向井松代さん(64)

パンフラワーに夢中
大好きな花に囲まれて

花をいっぱい家に飾ることが夢-。そんな夢のとおりに、本物と見間違えてしまうほど美しく作られたパンフラワーが家中に飾られている。
「作っているときは夢中。どんなお花になるかなと考えながらやるんです。手間はかかりますけど、出来たときはすごくうれしい」
『世界に一つだけの花』の歌が好きで、その歌詞にある“オンリー・ワン”を思いながら花びら1枚1枚に心を込め、1輪の花を作り上げていく。
「生の花もパンフラワーも、いろいろな花がなんでも好き。好きだから楽しいです」。主婦業の合間の制作だが、ついつい夢中になりすぎてしまうほど。1週間はパンの花、次の1週間は庭の花の手入れをする生活だ。
パンフラワーとの出合いは新聞で見た展示会。伊那市荒井区の赤羽弘美さんが主宰する「ルナ・フローラ伊那川北教室」に通い始め13年目を迎えた。
パンフラワーには小麦粘土のパンの花、布と粘土の染の花、本物調のリアルアート・フラワー、陶器風仕上げのラペリスフラワー、ハーブの香りの石けん粘土で作る香りの花石けんなどがある。月2回のレッスンでパンの花と石けんの花を中心に学んできた。
カラー、バラ、マツムシソウ、スイートピー、ジャスミン、キキョウ、野イチゴ、野ブドウ、アケビ…。手掛けた作品は数え上げたらきりがない。専用の部屋に置き、季節ごとに飾る花を変えて楽しんでいる。
最初に作ったのはカラー。伸ばし棒という丸い棒一つで粘土を扱い、花びらの柔らかなカーブを作り出すのだが、「フリルがなかなか出ないんです。難しかった」と振り返る。
花は色、動き、表情を自分で作っていく。生の花や本を見て研究し、つぼみから3分咲き、5分咲き、満開などさまざまな表情を作り出す。ツタを作るときは本物の葉で葉脈を模ったり、濃淡や陰影、つやなどを何色もの絵の具で表現する。
普通は1種類の花を数本作る程度だが、海外旅行で見たホテルのロビーに飾られた豪華な花のイメージから、「だんだん花の数が増えちゃう」。今制作中のガーベラも、わずか1週間で20数本を作り上げた。
手間と根気のいるパンの花。完成すると嬉しさのあまり、帰宅する家族皆にお披露目するのだという。
「家族の協力がなければここまで出来なかった」。車の免許を持っていないので、夫がレッスンの送り迎えをしてくれる。都合がつかないときは、娘夫婦が運転手を務める。「本当にお陰様でやらせてもらっています」
花と旅は夫と共通の趣味。以前は体が弱く大病もしたが、今は丈夫になり、夫婦で海外旅行にも出かける。「元気でいることが幸せ。花からパワーをもらって頑張っています。健康でないと旅もパンの花も、何もできないですもんね。本当に健康に感謝です」
染の花や陶器調の花を作ってみたい、孫娘のためにお嫁入りのときのブーケのセットも作ってあげたい-と夢は膨らむ。
村内の銀行ロビーで初の個展を開いたばかり。教室の作品展「パンの花 ルナ・フローラ展」(8月6-17日、かんてんぱぱホール)にも出品する。

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