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【石窯パン工房VESTA(ベスタ)代表 中根真輔さん】

駒ケ根市東伊那栗林

【石窯パン工房VESTA(ベスタ)代表 中根真輔さん】

 店名の「VESTA」(ベスタ)は、ローマ神話の炉、かまどの女神の名にちなんでつけた。6月15日に開店して約1カ月。・スからだに優しいこだわりのパン・スの評判は上々だ。
 ◇ ◇
 愛知県瀬戸市出身。妻の道子さんともども温泉が大好きで、毎週のように日帰りで駒ケ根市周辺を訪れていた。
 「きれいな景色、きれいな水。駒ケ根がとても気に入って8年前に越して来た。どうせなら駒ケ岳が見えて山に近い所がいいと、中沢か東伊那に土地を探したがなかなかなくてね。取りあえず小町屋に住んだが、5年前にようやくこの東伊那に土地が見つかって移り住んだんだ」
 だが、勤め先は瀬戸市のまま。駒ケ根近辺に職を探したが思うような仕事がなく、二重生活が数年間続いた。
 「パン作りは以前から夫婦共通の趣味だった。実は東京に住む孫が卵アレルギーでね。食べられない物が多くてかわいそうだから、卵や牛乳を使わないパンを工夫して作っては送っていたんだよ」
 「ふと世間を見回してみると、アレルギーやアトピーの子は意外に多いんだね。よし、それならうちの孫だけじゃなく、そんな子どもたちにも安心して食べられるパンを作ろう竏窒ニ思ったんだ」
 パン工房を構えることを決意すると、東京に夫婦で通い、職人養成教室で1年間勉強した。一方で起業の勉強も必要だと、伊那商工会議所主催の創業塾を受講するなどして開店の準備を進めた。
 「初めは工房だけのつもりだったんだ。注文に応じて作ったり、こっちから売りに行けばいいと思っていた。でもまあ、どうせだから店も開くことにしたんだ。しかし開店に当たって最も心配だったのは場所だね。東伊那の目立たない所だからお客さんが全然来ないかもしれないな、と話し合っていたが、始めてみたら意外に来てくれる。お客さんはこの近辺だけでなく、駒ケ根市全域から来てくれるし、評判を聞いて伊那市からも毎日数人が見える。ありがたいことです」
 ◇ ◇
 ブルーベリー、イチゴ、モモ、リンゴなど、季節ごとの地元産の材料をふんだんに使った30種類以上のパンが店頭を飾っているが、すべてのパンの生地には卵、牛乳、バターや添加物は一切使っていない。小麦粉や塩、砂糖をはじめとする原材料も吟味した国産品。
 「そりゃコストは高くて正直痛いが、何よりも安全性を優先したいからね」
 石窯は遠赤外線の効果で生地の内側から焼けるのが特徴だ。
 「一般的な電気やガスのオーブンは一度にたくさん焼くことができるが、石窯ではそれができない。効率は悪いね。だからたくさん注文が来た時には困るよ。でもそれがうちのこだわりだし、そんな思いはお客さんに伝わっていると実感している。やってよかったなって思っています」
 (白鳥文男)
石窯パン工房VESTA(ベスタ)
TEL・FAX81・6057
電話やFAXでの注文もOK。配達も可能。
午前10時縲恁゚後6時。日曜定休。

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