避難所と役場の通信網を確保、災害時の情報伝達に期待
防災行政無線デジタル化、上伊那初のシステムで来月から本格運用開始
宮田村の防災行政無線が、従来のアナログ設備の老朽化による更新で、上伊那で初めてデジタル同報無線システムを導入し、8月1日、本格運用を開始する。役場に設置した親局と、災害時には避難所となる村内13カ所の公共施設に設置した屋外拡声子局(子局)の双方向通信が可能になる。災害では電話や携帯が使えないことも予想されるが、無線により各地区との情報伝達網を確保する。
今までの子局設備は、火災や広報など親局からの送信情報を受け取り、拡声スピーカーを通して近隣に伝達するのみだった。
双方向通信により、親局と子局は電話感覚の通話を実現。補助バッテリーにより、停電になっても3日間程度は子局機能を保つ。
全19カ所の子局数は以前と同じだが、双方向通信機能を持たせたのは集落センターなど各区の基幹施設13カ所。村内11区すべてを網羅し、各区で管理する。
また、子局と同様に親局からの情報を受け取る持ち運び可能な戸別受信機を14台導入。村民会館、老人福祉センター、村体育センター、小、中学校に設ける5台は、電光表示盤により情報を文字表示する機能を持ち、音声だけでなく情報が目で読み取れる。
昨年度から2年間かけて整備し、総工費は9240万円。音声だけでなくデータや画像の送受信など将来的な拡張性も備え、村内全域で9月2日にある防災訓練では双方向通信を取り入れる。
防災行政無線のデジタル化は03年から総務省が推奨。現在宮田村と同様のシステムを設けているのは全国で50カ所程度だが、アナログ波の免許更新が本年末で出来なくなり、各自治体で導入が進むと予想される。
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避難所にもなる各区の基幹施設に設けられた子局に整備した「双方向通信機能」。親局と電話感覚で通話ができる