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参院選 あす投票

長野選挙区4候補の訴えに有権者の答えは

 第21回参院選は29日、全国一斉に投票が行われ、即日開票される。長野選挙区(改選定数2)に立候補している吉田博美(58)=自民現、羽田雄一郎(39)=民主現、中野早苗(59)=共産新、中川博司(49)=社民新=の4氏は12日からの選挙期間中、県内をくまなく遊説し、それぞれの政策を訴えてきた。争点となった年金、政治モラルなどについて有権者がどのような答えを出すか、自民への逆風で与野党逆転はあるのか、間もなく結論が出る。
 4候補は上伊那各地でも、街頭演説、個人演説会、総決起大会などで熱弁を振るってきた。
 選挙戦中盤以降になると、候補の訴え、支持者の応援演説の中に「与野党逆転」を強く意識した「間違いのない選択」「大事な分かれ道」などの言葉が多く聞かれるようになった。
 現職の吉田、羽田両陣営の演説には、自民逆風への必死の抵抗と、民主追い風への確かな手応えが鮮明に現れた。
 伊那市内で開いた吉田氏の総決起大会で、宮下創平元衆院議員は「敵は民主党だけではない。共産党の追い込みも激しい。前門の虎、後門の狼だ」と危機感をあおった。吉田氏も参院で与野党が逆転した場合の国会審議の遅れなどを強調し「間違いのない選択」を必死に求めた。
 一方の、羽田陣営は、飯田市内で開いた個人演説会で、中島衛元衆院議員らが「今参院選で民主中心の野党が過半数を取れば、次の総選挙で政権交代も十分あり得る」と激励。羽田氏も「小沢一郎代表は、今回与野党逆転が出来なければ自分の政治生命はもうない、と退路を断った戦いをしている。いまの政治に不満の人は与野党逆転のための1票を」と力を込めた。
 この現職2人に挑戦する共産新人中野氏の陣営は、伊那市での街頭演説で羽田氏が先行し、吉田氏と中野氏が次の議席を奪い合っていると分析。「モラルのない自民の政治を変えたいと思うなら、自民議席を中野に」と訴え、与党議席の削減を求めた。
 また、社民新人の中川氏は、上伊那遊説で「この参院選は二つの意味で日本の未来、私たちの暮らしにとっても大きな分かれ道を選択する選挙」と強調。与党政権が進めた構造改革、規制緩和による格差拡大と、改憲への動きを批判し、自民党政治との決別を迫った。
 6年前の第19回参院選は吉田氏が羽田氏に5万3千票の差をつけトップ当選。しかし、民主党から羽田氏と小山峰男氏の2候補が立ったため票を分ける形となった。今回は自民への逆風に加え、民主が統一候補を出したため、6年前より羽田氏に票が集まることは確実視されている。
 04年の第20回参院選では民主の北沢俊美氏が自民の若林正俊氏に14万票の大差をつけて圧勝している。
 今回の参院選の得票数によっては、次の衆院選での政権交代をもくろむ民主の勢いが県内の政党勢力図に影響を与えることは間違いなく、吉田氏の総決起大会で宮下創平元衆院議員は「民主に負けるようなことがあれば、長野県の自民党にとって大変なことになる」と危惧した。

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