夏本番、中央アルプス千畳敷にぎわう
残雪とお花畑
梅雨明けまじか、都会の喧騒(けんそう)と暑さを逃れて、標高2600メートルの大自然に涼を求める人々で千畳敷カールは本格的夏山シーズンを迎えにぎわっている。団体や家族連れなどが、雪渓を長蛇の列を作って、慎重に歩き、ハイマツに見え隠れしながら、カールを登っていく。
今年は梅雨明けが遅れ、カールには残雪が残り、雪の下からようやく芽ぶき、花たちは先を争って咲き始めた。
日当たりの良い草原では、シナノキンバイやミヤマキンポウゲが黄色のじゅうたんを広げ、シオガマ、ミヤマクロユリ、コイワカガミ、ゴゼンタチバナなどのほか、カールのシンボル、コバイケイソウは大群落とまではいかないまでも、多くの花が見られる。
りょう線では既に中ア特産種のコマウスユキソウ、ハハコヨモギ、植栽のコマクサが短い夏をおう歌している。
千畳敷ホテルの小林正樹総支配人によると、カールの高山植物の開花は1週間ほど遅れているが、梅雨明けともなれば、雪解けは一気に進み、早春から秋の花までが一度にカールを彩るとか。
梅雨の晴れ間となった24日、今夏1番の入りこみで1500人余が訪れ、バスやロープウエーは定期のほか、臨時便で対応した。