伊那中央病院が産婦人科診療を制限
郡外からの里帰り出産は遠慮してほしい
全国的な医師不足で、伊那中央病院は10日記者会見し、産婦人科の診療を制限したいと発表した。来年4月、昭和伊南総合病院(駒ケ根市)の産婦人科常勤医師がゼロになる見込みで、中病は▽来年4月以降、郡外からの里帰り出産は遠慮してほしい▽産婦人科初診は紹介状を持参してほしい竏窒フ2点を挙げる。
上伊那の出産件数は年間1600件。内訳は中病が千件、昭和病院が500件、助産院など100件。
中病は医師の勤務体制のほか、診察室や分べん室など施設面からも、昭和病院の出産をそのまま受け入れるのは難しい状況にある。
里帰り出産は全体の20%を占めており、診療を制限することで昭和病院分をカバーする。
紹介状の持参は産婦人科外来の「パンク状態」を解消するため、10月ごろから始めたいという。ここ数カ月、外来受診は増加が顕著に表れ、6月は1624件だった。
小川秋実院長は「地域医療を守るため、制限しなければ対応できない」と理解を求める。
地域住民らに対しては、中病や各市町村の広報などで周知していく。