昭和伊南病院産科を考える勉協会
産科が来年3月で休止となる昭和伊南総合病院(千葉茂俊院長)の現状と今後について考える勉強会が5日、駒ケ根市の駒ケ根駅前ビル・アルパで開かれた。駒ケ根市内の子育てサークルなどでつくる駒ケ根市子育てサークル連絡会と市民有志の主催。約150人の市民が集まり、千葉院長と日本助産師会県支部上伊那地区の武村博美副地区長の話を聴いて意見を述べ合った。
千葉院長は産科医師の全国的な不足や産科休止に至るまでの経緯について詳しく説明。「医師確保に全力を挙げているが、信大にも産科医師が足りない状況でどうにもならない。昭和をどうするというより、上伊那全体の医療のあり方を検討しなければ地域医療は崩壊する」として、切実な医師不足の現状を説明し、産科休止についての理解を求めた。助産師を活用しての院内産院の実現も医師がいなければ難しい竏窒ニの見解を示した上で「4月から助産師外来を設置し、伊那中央病院と連携して対応していく予定」と述べた。
参加者からは「多くの人が助産院で出産すれば、激務である病院の産科医の負担軽減になるのでは」との提案も出たが千葉院長は「確かに昔はそれが普通だったが今は事情が違う。出産をめぐる訴訟が多く、何かあった場合に助産院では責任を取れない」として、病院での出産が多い最近の状況は簡単に変わらないだろうとの認識を示した。
多くの参加者らは思ったよりもはるかに危機的な状況を聞いてショックを受けた様子。「何とか出産を受け入れる体制ができるよう行政も含めて努力を」と悲痛な訴えの声を上げていた。