経済講演会
県商工会連合会上伊那支部広域協議会、箕輪町商工会による経済講演会が20日、箕輪町の伊那プリンスホテルであった。約150人が集まり、日本銀行松本支店の松永哲也支店長による最近の金融経済動向と上伊那経済の今後の課題などについての話に耳を傾けた。
上伊那経済について松永氏は「業績好調な製造業から非製造業に波及し、着実かつ長期的に回復していく公算が大きい」と指摘。一方で依然として景気回復の実感が薄い事業所も多い背景には、民間需要の伸び悩みなどがあることを示し、公共事業や観光など、従来の上伊那経済を支えてきた収入源が縮小したことも、景気の浮揚感が感じられない原因となっているとした。
また、上伊那の観光については▽増加傾向にある外国人観光客の取り込み▽観光資源のブランド化竏窒ネどを提案。「世界遺産登録をすれば、一過性の効果に留まらず数年かけて観光客数が増加する」とし、現在世界遺産への登録に向けた活動を展開している南アルプスについては「世界遺産になる素材、価値が十分にあると思う」と語った。
また、米国の住宅ローン問題が日本経済に与える影響については、輸出対象国が米国に一極集中していた以前の日本経済とは異なり、現在はアジア諸国を中心としてさまざまな国への輸出が大きなウエイトを占めていることから「米国経済が悪化しても、一昔前のように日本の経済はすぐには悪くならない」とした。