西箕輪ふるさと景観住民協定会、景観育成特定地区への指定、来春を目指して景観計画提案書を承認
県の景観育成特定地区の指定に向けた取り組みを続けている伊那市西箕輪地区の住民による「西箕輪ふるさと景観住民協定者会(小池知志会長)は25日夜、代議員会を開いた。区の役員など約40人が集まり、県に提出する「伊那市西箕輪景観育成特定地区景観計画提案書」案を承認した。今後同会は、11月末までに地区内から3分の2以上の賛同署名を集め、来年に入ってから同計画書案と賛同署名を県に提出する予定で、来春にむけて県内でも初となる景観育成特定地区への指定を目指す。特定地区に指定された場合、建築物などを建てる場合に地域住民の同意に基づく「景観計画提案書」に法的拘束力が生じ、基準に適合しない行為については変更勧告、命令などを発令することが可能となる。
権兵衛トンネルの開通に伴なう乱開発防止などを目的として同会では、景観育成特定地区への指定を目指し、今年の2月から活動を開始。特定地区の指定に必要な計画提案書の検討を行いながら8月には各区ごとに説明会などを開き、指定に向けた取り組みを進めてきた。
景観育成地区への指定を目指す対象範囲は伊那インター工業団地を除く西箕輪地区で約23平方キロメートル。市営、県営住宅団地については景観法の中で環境育成基準を守ることが定められているため、対象地区から除外した。
景観計画には一定規模以上の建築物などについて課す「届出基準」と建物の高さなどを制限する「育成基準」を記載。▽床面積20平方メートル以上の建物の新築、増築▽高さ5メートルを超える煙突、鉄柱の設置▽表示面積3平方メートル以上の屋外広告物の設置竏窒ネどをしようとした場合には工事着手30日前までに届け出が必要となるほか、それ以外の建築物、工作物についても▽建築物の高さは原則として13メートル以下とすること▽周辺景観と調和するような形態・色彩にすること▽原則としてネオンサインなどは設置しないこと竏窒ネどといった育成基準に従った設置を求めていく。
大泉地区の伊那インター工業団地についてはすでに企業が進出し、造成も進んでいることから対象から除外したが、現在市が新しい工業団地の造成を構想している大萱地区については対象地区にしている。
10月中旬から同意書を配布し、賛同署名を募っていくが、県へ提出する賛同署名は、西箕輪の土地所有者と借地権を有する人の3分の2以上、同意者が所有する土地の合計が今回指定を受けようとする区域の3分の2以上であることが必要となるため、地区外に住む土地所有者などにも同意書を発送する。