巖谷家3代の足跡を展示 高遠町歴史博物館
伊那市にある高遠町歴史博物館の第27回特別展「巖谷小波(いわや・さざなみ)と一六・貞子展」は12月2日まで開いている。高遠城址(じょうし)公園碑の執筆や高遠を題材に俳句を残すなどした児童文学者小波(1870縲・933年)と書家一六(1834縲・905年)親子と水墨画家の貞子さん(83)=東京都=の巖谷家3代の足跡を展示した。
博物館によると、小波は21歳でおとぎ話「こがね丸」を書いたほか、「桃太郎」などの民話を現代に再生した、明治を代表する児童文学者と称された「日本のアンデルセン」。特別展では、「こがね丸」「桃太郎」の直筆原稿や親子合作の掛軸「いろは」をはじめとする3人の作品計56点を並べている。
一六は明治の三筆の一人といわれ、明治政府の書記官僚を務めた人物として知られる。貞子さんは小波の二男の妻で書、水墨画をたしなみ、高遠の遠照寺の絵島句碑、桜の馬場の句碑の執筆をしている。
特別展初日のオープニング式典には、貞子さんが来館し、出席者に対し作品を説明するなどした。貞子さんは式典のあいさつで「一六も小波も、この展示を大変喜んでくれていると思う。心からうれしく思い、みなさんにお礼を申し上げたい」と話した。
オープニング式典で出席者に作品紹介する貞子さん