伊那青年会議所40周年記念公開例会で住民主役のまちづくり、協働のまちづくりについて考える
伊那青年会議所は12日夜、40周年記念事業公開例会を伊那市の生涯学習センターで開いた。「地域の未来は自分たちの手で創る」をテーマに、基調講演やパネルディスカッションを展開。約200人が集まり、住民主役のまちづくりや住民と行政との協働について考えた。
伊那青年会議所では過去3年にわたり、経営を通じたまちづくりについて考えてきたが、地域を良くしていくには住民の主体性が重要ではないかとの思いから、今回このテーマを選んだ。
基調講演では、岩手県滝沢村の前村長・柳村純一氏が、滝沢村における改革とその後の変化について講演=写真。
以前の滝沢村役場は、組織の使命が明確化されない中、無駄な残業、組織の壁、なんとなく仕事をやるといった状況にあったが、柳村氏は「行政は経営、住民は顧客」というポリシーに基づく役場内部の改革に着手。情報公開制度、行政経営理念制度、管理職員投票制度などを導入し、住民との協働でも、職員も率先して各地域の作業に参加させるなど、職員、住民とも「自分たちのことは自分たちでやる」と認識して取り組んでいくことの重要性を指摘。また、組織の改革を考えていくうえでは、肩書き、年齢などにこだわらず、自由に議論し合える環境を作り、まずは実行に移すことが重要であることを示した。
柳村さんは「“住民のための組織”という認識を同じにする中で、今やるべきこと、やれることを率先してやれるようになってきた。組織は明確に使命を共有すれば変わっていく」と語った。