花ろまん26コスモス
清楚さとしたたかさを合わせ持つ
微風にも揺れ、結んだ朝露にも細い花茎はうなだれる。メキシコ原産、明治時代に日本に渡ったコスモスは、日本人好みの清楚な風情で、日本の秋を代表する花となった。野分けの風に折れても、ちぎれても、折れた所からお日様に向って、真っ直ぐに伸び、花を咲かせる。コスモスは思いのほか、したたな花である。今回のテーマはコスモス。伊那谷最大規模200万本が咲く飯島町飯島上の原のコスモス畑、桜の町の秋桜街道、伊那市高遠町の国道152号線沿いに展開する老人クラブのコスモス花壇を紹介する(大口国江)
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4ヘクタールに6種類、多彩な花を咲かせる
秋桜まつりは20、21日
花のまち、飯島の景観形成作物として、転作田約4ヘクタールに作付けされたコスモスは秋咲き大輪をメーンに、さわやかな黄色のイエローキャンパス、優しい色目のオレンジキャンパス、真紅のティーブレッドキャンパスなど6種類。7月に種まき、各農家が除草など管理し、花の時期を迎えた。
現在、イエローキャンパスやオレンジキャンパス、縁取りがかわいいピコティーが見ごろを迎え、赤、白、ピンクの花が最大で直径18センチにもなる巨大輪は3分咲きから5分咲きになった。まもなく、コスモス畑を一望できる高見台も設置される。
11年前、飯島町制40周年記念事業の一環として、当時、JA上伊那営農課長の北原秀美さんが「農家も消費者もみんなで楽しんで、農地の持つ多様な価値を再認識しよう」と、広域農道沿線の農家に呼び掛け、延長400メートルの両サイドで栽培、翌年から秋桜まつりを開催。農道沿いに駐停車するなど交通安全上の問題から「ゆったりと見てもらおう」とメーン会場をJA飯島果実選果場北に移動した。北原秀美さんは「まつりの2日間に1万人が訪れる。たかがコスモス、されどコスモス。コスモスを見ながら、2つのアルプスの景観、おいしい空気に感動している姿を見て、農家の皆さんも共感している」と話す。
秋桜まつりは20、21日、コスモス畑や隣接の飯島果実場駐車場などで開かれる。
コスモス畑のミニコンーサート(セントラル愛知交響楽団、アルプホルン、飯島中奏学部、飯島小合唱部など)、コスモスの無料摘み取り、テント村での地元農産品、農産加工品の直売、飲食コーナーもある。
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老人クラブが丹精込めて育てたコスモスで、国道152号を彩る、コンテストも
桜の町、伊那市高遠町は老人クラブを対象に花のまちづくりの一環として、コスモスコンテストを20年前から開いている。今年は9単位クラブ10カ所がエントリーした。この中から、今、満開の花壇を紹介する。
コスモスの種類
コスモスという言葉は英語では「宇宙」をさすが、植物の場合はギリシャ語で「美しい」「飾り」の意味。別名アキザクラ(秋桜)、オオハルシャギク(大春車菊)。キク科、コスモス属、メキシコ原産、スペインで「コスモス」と名付けられた。本来は短日植物だが、最近は日長に関係なく早咲きの園芸品種が作出され、は種から約3カ月で開花する。
種類は一重単色が一般的だが、八重咲き、シェル咲き、2色咲き、白地の花弁の縁に紅色の覆輪を持つピコティー咲きなどがある。 また、同属別種に、花壇用などで、広く栽培されているキバナコスモスがある。草丈は低く、花は4縲・センチの一重、半八重。花色は黄色、黄橙、朱赤もあり、夏から秋まで咲き続ける。このほか、色も香りもチョコレートの、メキシコ原産チョコレートコスモスもある。
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