「小林善次」遺作展 ベル伊那で23日まで
伊那市西箕輪の会社員で油絵を趣味としていた小林善次さん(享年65歳)の一周忌に合わせ、小林さんの兄で洋画家の修一郎さん(72)=同市西町区=が23日まで、日影のベルシャイン伊那店2階文化ホールで遺作展を開いている。県展入選作品を含むSM縲・00号サイズの40点を出品、一部を販売している。
小林さんは信州大学教育学部美術科卒業で、在学中、第1回デザイン県展に出品し、最高賞「知事賞」を受賞している。その後は県内で、絵を描きながら中学校の美術教員や印刷会社のグラフィックアートなどの仕事をしていたが06年10月、心臓マヒで亡くなった。
修一郎さんは「地道に絵を描いてきた思い、足跡を残してあげたい」と遺作展を企画。自宅の一室でほこりを被り、束ねてあったという100枚近くの中から出品作品を選んで飾った。小林さんの個展は1973(昭和48)年、地元で一回だけ開いて以来となった。
県展の入選作品のほとんどが「笛を吹く少女」をモチーフ。修一郎さんによると、小学校の音楽教師だった妻を描いていて、「彼の内面的なナイーブな持ち味とその詩的な情感が表れている」
入場無料。午前10時縲恁゚後6時(最終日は午後4時まで)。
「笛ふく女」(第40回県展出品、1987年)を眺める修一郎さん