森の神に願いを込めて鉾立権現、ブナの森例祭1分足らずの神事

日本一短い宮田村で17日、山深い森の中にある3つの神社の例祭があり、鉾立(ほこだて)権現、ブナの森では例年通り1分足らずの神事で地域の安全などを祈願した。
宮田高原に近い標高1400メートルにある鉾立権現。同高原や駒ケ岳へむかう登山道に鎮座し、かつては放牧や登山者の往来を見守ってきたが、林道の開通により今では訪れる人も少ない。
一方で、村の関係者が手厚く守り続け、毎年この日に例祭を催行。昨年7月豪雨で通じる寺沢林道は復旧途上だが、その工事部分を通過しながら今年もいつも通りに現地で神事を行った。
車を降りて林道から山道を歩くこと6分ほど。村職員や村議、森林管理署などの10人は、まず神社鳥居前にある三十三体観音を参拝。急坂を登り、鉾立山頂上にある祠(ほこら)で神事を行った。
造林班の大澤光雄さんが神官役を務め、祝詞と拝礼だけの簡素さだが、色付き始めた木々に囲まれ厳粛なうちに終了した。
「日本一短いとされる塩嶺(岡谷市、塩尻市境)の祭りと並ぶくらい短いかも。それにしても立派な祭りだよ」と小林修副村長。
他の参列者も「かつてはみんなここを歩いたんだね」など往時をしのびながら、感慨深げな様子だった。
ブナの森では2礼1拍手とさらに短い時間で祭りを終えた。