県国際交流員として8月から上伊那地方事務所に勤務する
パトリシア・ドーシャーさん(23)
こんにちは。初めまして!竏秩B
元気な笑顔で訪れる人を迎える。県国際交流員として8月から上伊那地方事務所に勤務している。翻訳、通訳のほか、異文化理解を促進する活動などに取り組みながら、地域レベルの国際交流を深めるのが国際交流員の役割。「国際交流」という幅広い枠の中で、さまざまな活動を展開する。
「上伊那は結構外国人が多い地域。こういうまちで国際交流を広めていくことは大切だと思う。こちらへ来てから『何をしたらよいのだろう』って考えていましたが、地元の人と話をする中で、どういうことが必要で、何をすべきなのかなども見えてきました」と語る。
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米国ミネソタ州出身。子どもの時に参加したサマーキャンプで日本のことに触れ、米国とは全くことなる文化、歴史に興味を持った。その後、大学で日本研究を専攻。在学中には大阪の大学へ1年間留学し、昨年12月に卒業を迎えたが「学生としてではなく、社会人という立場から日本での経験を積みたい」と、日本政府が行っている外国語教師の受け入れ制度「ジェット・プログラム」に申し込み。長野県の国際交流員として採用された。
「伊那は留学していた大阪とは全然違ってのんびりしている。同じ日本だけど、また別の経験ができるので嬉しい」と話す。
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伊那へ赴任して約3カ月。
「前から車の免許は持っていたんですが、日本と米国は交通ルールも違うし、以前に住んでいた大阪では運転していませんでした。でも、こっちでは車なしでは生活できないので、頑張って車も運転しています」と笑う。
また、国際交流員としての活動も徐々に展開している。
この10月に開講した「英語で観光ガイド入門講座 おいでなんしょ伊那」もその一つ。伊那国際交流協会が、訪れた外国人に地元の名所や文化を英語で観光案内できるようなスキルを身につけよう竏窒ニ、昨年から実施しているもので、今回はその講師を引き受けた。開講に合わせてオリジナルのテキストづくりにも挑戦。しかし、赴任してまだ3カ月足らず。上伊那の名所を知るよしもなく、地元住民らでつくる「英語で観光ガイドクラブ」のメンバーの協力を得て上伊那各地を巡った。 高遠、長谷、南箕輪村竏秩Bさまざまな地を訪れる中で、この地にあるさまざまな面白い場所を知った。
「長谷の熱田神社はすごく面白かった。細部まで施された彫刻をみると、文化や歴史を感じることもでき、勉強になった」と語る。
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契約は1年間だが、できれば更新して2年間はこちらで経験を積みたいと考えている。
「たくさんアイデアがあるので、さまざまなイベントを企画しながらいろんな国の文化を伝えていければと思います。こちらの人たちが営む日常生活は興味深くて面白い。ここでの生活を通してそういうことをもっと知りたいと思います。そういう生活を通して、自分自身のことももっと見えてくると思うので」