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県文で「夭折の日本画家・戸田祐暉展」始まる

県文で「夭折の日本画家・戸田祐暉展」始まる

 29歳という若さで亡くなった伊那市出身の日本画家・戸田祐暉の作品を一堂に集めた「夭折の日本画家・戸田祐暉展」が26日から、伊那市の県伊那文化会館で始まった。戸田祐暉特有の淡く美しい色彩で描かれた200号以上の風景画や、昭和20年以降に描いた晩年の作品、スケッチや素描など約80点が、短い生涯の中でさまざまな日本画の表現を追求した戸田祐暉の画業の変遷を伝えている=写真。
 戸田は1921年に現在の伊那市東春近に生まれ、16歳で上京。水墨画の大家としても知られている児玉希望のもとで日本画を学んだ。若いころから頭角を現し、さまざまな展覧会で入選してきた。
 今回は日本画の伝統の「花鳥」を基調としながらも、独特な色彩で表現した初期の作品から、地元風景に根ざした写実的な日本画を確立した晩年の作品まで一堂に展示。戦後に描いた日展入選作品「春の山」は、パステル調の淡い色彩で春の芽吹きを鮮やかに表現しているほか、農村風景や自然の四季の移ろいを描いた作品も多い。戸田の回顧展が県内で開催されるのは18年ぶりだが、前回は晩年の作品がまだ知られていなかったため、これだけの作品が並ぶのは今回が初めてだという。
 同館の林誠学芸員は「地元では初めての作品展。大変豊かな芸術性を持った戸田祐暉が、周囲の影響を受けながら独自の画風を確立した様子も見てとれる。多くの人に見ていただければ」と話していた。
 開館時間は午前10時縲恁゚後5時半(入場は午後5時まで)。観覧料は一般500円、大学生300円、高校生以下無料。11月25日まで(毎週月曜は休館)。

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