秋草
秋草
春、様々な山野草で彩られた伊那市のかんてんぱぱガーデンと山野草園ヒノキオに再び訪れた。目の見えない兄が優しい弟を誤解し、殺してしまったという鳥のホトトギスにちなむ悲しい伝説の花、ホトトギス。根に猛毒があるヤマトリカブト、保険金サギソウの異名も。ペストから民を救わんと、王が放った矢が根に刺さったというリンドウ▼ヤマスゲの古名を持つヤブラン、名前もゆかしい玉の緒(ミセバヤ)、フジバカマなど万葉集に登場する花は秋草に多い。万葉人に最も愛されたハギは残り花が2、3輪、風に揺れ、あわれを誘う▼木々が色づき山装うこの季節、紅葉もいいが、短い秋に精いっぱい咲いて、実らせようとする秋草がことさらいとおしく感じられる(大口国江)