上伊那の松くい虫被害、さらに北上
県や市町村、関係機関でつくる上伊那地方松くい虫防除対策協議会が31日、伊那市の県伊那合同庁舎であり、従来上伊那最北端として確認されてきた伊那市美篶の下川手区より約500メートル北上した伊那市中央区と、約700メートル北上した伊那市荒井区川北町で、新たに松くい虫被害が確認されたことを報告した。
荒井区は今年6月に、中央区は今年9月に確認。また、伊那市美篶若宮区にも松くい虫被害と思われる枯損木があり、現在鑑定を依頼している。今回の確認で最北端となった荒井区川北町の被害場所は、今のところ松くい虫被害が確認されていない南箕輪村との境目に当たる。
松くい虫対策事業予算としては、当初予算632万円に加え、新たに特別会計補正として80万円を計上する見込み。松くい虫被害の拡大に伴い、対策費用として同協議会が各市町村から負担した後、各市町村の対策費用として支給してきた「市町村負担金」の額が年々増加傾向にあることから、来年度からはその合計額上限を500万円までとし、それぞれの市町村で不足が生じた場合については、独自負担していく方針となった。
現在上伊那の市町村は、松くい虫対策費用の約7割を国庫補助で、残る3割については市町村負担金で賄っている。本年度見込まれる市町村負担金の合計額は450万円は、最も少なかった2004年の3倍にもおよぶ。
今回の報告事項は、来年1月の協議会で諮られる。