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風力発電事業は規模縮小

第4回希少猛きん類の影響評価検討委員会

 伊那市の入笠山縲恷ュ嶺高原への風力発電事業計画に対する「希少猛きん類等への影響評価検討会」の第4回会議が2日、市内高遠町であった。民間事業者が当初計画した延長11キロの範囲から7キロに規模を縮小する結論を出した。事業者は今後、事業として成り立つのかを含めて検討する。
 前回(9月)、データが不足していた05年5月縲・7年6月の飛翔集積図、出現頻度図など総合的な資料を示した。イヌワシ、クマタカの繁殖が確認されており、計画地の一部が狩り場など高頻度利用域に入る。
 委員から「バードストライク(渡り鳥が風車に衝突する事故)対策の実施で、風力発電と共存できるエリア」と評価する一方、「出現頻度からクマタカの行動エリアに入る。風力発電建設で狩り場となり、バードストライクが起きると推測する」と事業をやめるべきと主張する意見とに分かれた。
 委員長の信州大学教育学部教授・中村浩志さんは、イヌワシやクマタカの高頻度利用域である南北3キロをはずした規模縮小案を提示。「猛きん類を考えると、風車は設置しないほうが良いに決まっているが、自然保護、人間生活から自然エネルギーを取り入れざるを得ない。社会的な要請」とした。
 それでも委員の意見は分かれたが、規模縮小案は猛きん類への影響が比較的少ないと判断。同意を得た。
 民間事業者・三峰川電力の酒井宗二社長は「今後、事業性、風車の本数や間隔など検討する。山間地の風力発電事業のモデルケースとしたい」と述べ、自治体に対して「説明して理解を得られるように努力する」とした。
 検討会は06年6月、三峰川電力と丸紅が設置。委員5人が事業実施に伴う渡り鳥、希少猛きん類に関する影響評価を審議した。

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