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212/(月)

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花ろまん28菊

毎年バージョンアップする菊のアーティストたち

花ろまん28菊

 厚物の小さな爪のような花弁500縲・00枚が中心の1点に向かって寸分の狂いもなく組まれ、盛り上がっていく様は、息詰るような緊張感さえ覚える。菊は芸術品であり、作る人はアーティスト。今回は駒ケ根市の菊づくり名人、菊の造形で話題を提供する井口晴人さん(76)=小町屋=、大掛りな細工物で菊を見せる北沢嘉夫さん(74)=吉瀬=、千輪菊と菊すだれの片桐義明さん(69)=吉瀬=の3人にスポットを当てた。それぞれ見ごろを迎え、11月中旬頃まで、3人の自宅前の菊花壇は市内外から菊見客で昼間も夜もにぎわう。(大口国江)
##(中見だし)
今年のテーマは「仙丈ケ岳」だるま、福助、ドーム菊と多彩、井口晴人さん
 菊づくり40年、大菊の3本立盆養から菊づくりを始め、ロープウエーが開通した74年に菊でロープウエーを作り、電動でゴンドラを動かせて話題を呼んだ。以来、毎年テーマを決め、菊の造形づくりに励む。今年は赤、白、黄色など7種類の懸がい用の菊、150本で「仙丈ケ岳」を創作。高さ3メートル、延長6メートル、頂は白菊で冠雪を中腹は黄色、赤、エンジ色の菊で紅葉を表現した。
 また、総務大臣賞を受賞したこともある懸がいも圧巻、ボリウムのある花を咲かせている。
 このほか、わい化剤でコンパクトに仕立てただるま、福助が約50鉢、自然と丸くなるドーム菊などが名脇役として、菊の造形を引き立てている。
 「菊は構想通り、自分の思うように動いてくれる。菊は本当の友だち」と話す。
##(見出し(2))
過去最大級の細工物「吉瀬田切大橋(仮称)」と西駒ケ岳、仙丈ケ岳を作る、北沢嘉夫さん
 菊づくり40年余の北沢さんは、今年は全容を現した「吉瀬田切大橋(仮称)」に挑戦。高さ3メートル幅5メートル5種類20鉢を使った。早々と、菊でくす玉も作り、しゅん工を祝うという手回しの良さ。欄干は夜になると電飾で華やかに彩られるとか。
 また、白菊で冠雪を、赤や黄色で中腹の紅葉を表現した西駒ケ岳、仙丈ケ岳も圧巻、ほかに懸がい、木付け、盆栽づくりもある。 「今年は開花がそろわず、出来映えは今1つ」とか。
##(中見だし)
千輪菊と懸がい、盆栽づくりにも挑戦、片桐義明さん
 菊づくり12年目、千輪菊づくりは7年目。冬至芽を育て、摘芯し、側枝を出させ、9月に枠組し,全体の形を整えた。約500個余の花をつけた。白と黄色のほか、上部に黄色を接ぎ木した2色づくりも試作した。
 今年始めて手掛けた盆栽づくりは「吉瀬のしだれ桜」を表現した。片桐さんオリジナルの菊すだれも健在、延長は20メートルに及ぶ。
 長男の秀樹・由美夫妻の特設花壇もあり、ハートやかさなど若い感性が目を引いている。
 「開花は遅れ気味だったが、花色は例年になく濃く、鮮やか」と話している。

花ろまん28菊

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