小田切さんが普賢菩薩を完成
諏訪形の諏訪社の境内にあったケヤキの古木
ほほ笑み地蔵や民話をテーマにした人間味のある作品で親しまれている伊那市西春近の木彫家、小田切恵子さんはこのほど、一刀彫「普賢菩薩」を完成させた=写真。
高さ20センチ、諏訪形の諏訪社の境内にあったケヤキの古木の根元の部分を用いた。
ハスのつぼみをくわえ、優しく愛くるしい瞳の小象の上に、小田切さん独特のほほ笑みを浮べた普賢菩薩像が乗っかっている。
普賢菩薩を彫ったのは初めて、国宝級の仏像や気に入った仏像の写真を参考にした。ゾウは「ダンボ」をイメージし、インターネットで動物園のゾウを検索したり、本の挿絵からもヒントを得たという。
5年前、東京銀座で開いた個展で世話になったコマツの小坂敬社長に感謝の気持ちを込め、小坂社長の守護神である「普賢菩薩」を贈ることにしたとか。
制作を思い立ってから仏教関係の本を10冊余を読み漁り、普賢菩薩について学び、彫り進める中で、「自ら善業を積み、それによって得た功徳を全ての生きとし生けるものに恵もうと努める、慈悲と回向の菩薩行に行きついた」という。
「私が初めて彫った普賢菩薩を見て、小坂社長さんがにこっとしてくれればうれしい」と話していた。