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児童の個人情報の記載されたノート紛失

 伊那市内の小学校の児童250人分の成績や職員の住所及び連絡網を入れた同校職員のバックが紛失していたことが、8日、市教育委員会の発表でわかった。バックは同日午後、辰野町で発見され、個人情報流出が懸念されていた児童の成績や学校職員の住所及び連絡網も、紛失当時の状態のまま入っていた。
 同教委によるとバックがなくなったのは5日の午後6時すぎで、同校職員が帰宅途中、音楽教室へ子どもを迎えに行った際、同教室前の道路脇へ自動車を停め、数分間車を離れた間に車内助手席から消えた。車の施錠はしておらず、エンジンはかけたまま、キーも付けたままだった。
 バックには同職員が教えている教科の4年生の一部と5・6年生の1・2学期の成績などが記載されている週案簿(授業計画や児童の学習の様子などを記載するノート)と、学校職員(教職員以外も含め)約40人分の住所録と連絡網が入っていた。 
 車に戻ってすぐに紛失に気づいた職員は、110番通報し、警察署に被害届けを出した。
 同小学校では6日朝に緊急職員会を開き、経緯の説明と再発防止徹底を呼びかけ、7日夜には紛失した個人情報にかかわる児童の保護者たちに概要説明と謝罪をした。8日朝には全校児童に対し、校長から経緯を説明して謝罪した。
 伊那市教育委員会の北原明教育長は取材に対し、「折りにふれ個人情報の管理の徹底を図ってきたが、このようなことがおこり断腸の思いがする。今後このようなことがないよう万全を期していきたい」と述べた。
 伊那市では、昨年8月に中学校男性教員が所有する現任、前任校など延べ約900人分の生徒の成績などが入った個人用パソコンが盗難されている。5分ほどコンビニエンスストアに寄った際のできごとで、やはり車の鍵はかけていなかった。 5分間鍵をかけずに車を離れたことがどちらの事件にも共通している。同様の状況で再び個人情報を盗まれ、「5分でも施錠して欲しかった」と北原教育長は語った。
 昨年の事件後、市では各学校に情報管理の徹底を呼びかけ、今年3月には「伊那市立小中学校情報セキュリティポリシー」を制定し、学校に周知徹底を図ってきた。
 今回紛失した週案簿も学校外に持ち出す際には校長の許可が必要となってはいたが、パソコンやフロッピーなどと違い、あまり守られてはいないとのこと。同職員も許可をとってはいなかった。
 北原教育長は「児童の成績が個人情報だという認識が甘い気がする」と述べた。市内の小中学校の教職員や職員に、北原教育長が直接、文章でこれまでの反省と今後の自覚についてうながすとのこと。
##写真(たてよこ)

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