大増光するホームズ彗星 天文ボラ野口さん撮影
伊那天文ボランティアサークル代表の野口輝雄さん=伊那市西箕輪=が、肉眼でも確認できるほど大増光している「ホームズ彗星」を望遠鏡を通して写真撮影した。野口さんは「一生に一度見られるかどうかの珍しい彗星」と注目する。
野口さんによると、10月23日(世界時)は約17等の明るさで観測されたが24日午後10時12分(日本時)、約3・5等に増光。その後は、約2等台に達し、光の単位からすると明るさは40万倍になったという。
彗星は、太陽に近づくと汚れた雪玉のような表面が蒸発し、放出された物質が太陽光を反射して輝く。しかし、ホームズ彗星は、何らかの原因で一時的に通常よりも大量のガスやちりが吹き出し、大増光したと考えられる。
本年5月に近日点を通過し、太陽から遠ざかっているが核を取り巻くガスが大きくなっている。国立天文台は、このままガスが拡散すると、11月中旬前後には満月大になる予想だという。
野口さんが撮影した「ホームズ彗星」。4日(左)と7日の撮影を比べると視直径が1・4倍ほど大きくなっているのが分かる