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伊那フィルハーモニー交響楽団が第20回の定期演奏会

伊那フィルハーモニー交響楽団が第20回の定期演奏会

 1985年に誕生した「伊那フィルハーモニー交響楽団」(北沢理光団長、70人)。市民オーケストラとして、地域に根づいた活動を展開している。
 86年から始まった定期演奏会は本年、第20回の節目を迎えた。会場となった県伊那文化会館大ホールには、観客約1400人が詰めかけた。
 今回はフランスの作曲家ベルリオーズの代表作「幻想交響曲Op.14」に初めて挑戦。恋の物語をテーマに「夢と情熱」「舞踏会」「断頭台への行進」など第5楽章で構成される。バイオリン、ビオラ、チェロ、フルート、クラリネット、トランペット、ホルンなどに加え、ハープ、チューバ、銅鑼とさまざまな楽器がそろい、エキストラを含めた約80人が見ごたえある演奏を響かせ、観客を圧倒させた。
 ほかにも「亡き王女のためのバヴァーヌ」「歌劇『サムソンとデリラ』Op.47よりバッカナール」を演奏。
 終了後、しばらくの間、大きな拍手は鳴り止まなかった。
 「地元のアマチュア・オーケストラで、ベートーベンの『第九』を歌いたい」と合唱の仲間5人が夢見た。県伊那文化会館建設の誘致運動とからめ、早速、行動を起こした。チラシを作って団員を集め、1年足らずで発足にこぎつけた。
 年1回の定期演奏会のほか、地元を中心に小中高生と交流する「ファミリーコンサート」、公募した団員と一緒に作り上げる2年に1度の手作りの演奏会「第九」「レクイエム」などを企画。身近な場所で音楽を聞ける場を提供している。
 団員は20縲・0代。仕事を持ちながら、伊那市、駒ケ根市、飯田市、諏訪市などから集い、音楽活動に情熱を注ぐ。子どものころ、伊那フィルの演奏を聞き、大学卒業後、地元へ戻って団員に加わる若者も増えてきた。
 「アマチュアの活動集団。存続の危機もあったが、団員がそれぞれ責任を持って、運営している。階段を一段ずつ上るように育ってきた」と北沢団長。
 選曲も、団員たちが自ら決める。そんなことが「温かみのある演奏会だね」と観客から言われるゆえんかもしれない。うれしいことに、活動を応援したいという声も多く、市民オケが定着してきたと感じている。
 「これからも息の長い活動を続けるため、無理のないように活動していきたい。団員自身が楽しいオケが何より」。地域の人に愛されるオーケストラでありたいと願う。
 08年6月には、手作りの演奏会「レクイエム」を予定している。

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