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統合失調症治療について学ぶ市民フォーラム開催

統合失調症治療について学ぶ市民フォーラム開催

 長野県精神障害者家族会連合会は13日夜、統合失調症治療について学ぶ市民フォーラム「こころの扉をひらく」を伊那市役所で開いた。一般市民約60人が参加。県立駒ヶ根病院の樋掛忠彦院長と長沢淳也医長を講師に迎え、統合失調症の症状やその治療方法について学んだ=写真。
 フォーラムは統合失調症に対する正しい理解を持ち、薬物療法に関する知識を深めてもらうことを目的とするもので、今回は「新しい抗精神病薬による統合失調症治療について縲恊V薬の適応と回復事例縲怐vをテーマに開催した。
 最初に長沢医長が、統合失調症の症状と現代の薬物療法について講演。
 「原因は十分に解明されているわけではない」としながらも、脳の生物学的要因がもとになり、そこへ心理的、社会的ストレスが加わることで脳が機能障害を引き起し、ドーパミンの過剰症状で発症することを説明。
 周囲の人も分かりやすい陽性症状としては、幻覚や妄想、思考障害などが表れる一方、周囲が気付きにくい陰性症状が表れるケースでは、感情の平板化、意欲喪失、自閉、抑うつなど、生活自体に支障をきたす症状となって表れる危険性があることを示した。
 また、治療方法としては、薬の投与が不可欠であることを説明。また、現在用いられている「定型型」は、幻覚の沈静などには強い作用があることから、陽性症状には有効で、長年用いられていることから医師が処方する時にも副作用などの見通しがつきやすいといった利点があるが、陰性症状にはあまり効果がなく、過鎮静などといった副作用も起こりやすいことを説明。それを補う形で新しい「非定型型」が出てきており、こちらは陰性症状や症状の再発防止にも効果があることを示した。
 副作用については、その人それぞれで症状が異なるため、軽い場合は経過観察、用法の変更などで、症状が重くなるに連れて副作用止めの投与、薬の減量などが必要となることを示した。

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