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伊那市で人間・野生動物共生プロジェクト推進講演会

伊那市で人間・野生動物共生プロジェクト推進講演会

 北海道犬を活用した野生動物の追い払い事業を開始する伊那市は19日夜、「人間・野生動物共生プロジェクト推進講演会」を市役所で開いた。一般など約110人が参加。元北海道大学助教授で市が同事業を委託する鈴木延夫氏が、北海道犬の特性やしつけ方、野生動物と共生実現に向けた取り組みについて講演した=写真。
 同事業は農作物に対する有害鳥獣被害が増加する中、市が打開策として9月から開始しているもの。北海道犬が野生動物を追獣することで、農作物への被害を最小限に抑えようと考えている。現在は鈴木氏が市で購入した北海道犬数頭の訓練をしているが、今後、事業展開の中で一般市民の協力が必要となるため、同事業への理解を深めてもらおうと今回の講演会を企画した。
 鈴木氏は、テリトリー意識の強い北海道犬は、その範囲に入ってくる侵入者を追い払おうとする性質があることを説明。一方、土佐犬などのように相手をかみ殺そうとする特性はないとした。また、主人に対する忠誠心が強く、主人以外には従わない性質もあるが、「それは訓練により解消できる」とした。
 また、今回「追い払い」を選択したことに関しては、野生との共生が結果として人間のメリットになることを示し「野生に一歩譲り、野生が出すぎているところには一歩下がってもらう中で、共存の方程式を作っていってはどうか」と語った。
 会場からは、猟友会との摩擦を危惧する質問などがあったが、鈴木氏は「そのことについてはプロジェクトが始まる段階で市に懇談するようお願いしている。早い時期にお互いの主張をかみ合わせられるよう、市の方で調整していただけると思っている」とした。

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