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小田切さん井月の木像奉納 ゆかりの清水庵に

 漂泊の俳人井上井月の木像を制作した伊那市西春近の木彫家、小田切恵子さん(59)が24日、井月のゆかりの場所である同市手良の清水庵(小池隆禅庵主)に像を奉納した。呼びかけ人となった地元の「井月を偲ぶ会」や「清水庵保存会」の有志ら15人が集まり、奉納式を開いた。
 小田切さんが作った像は、高さ65センチで楠(クスノキ)の丸太から彫り出した。風呂敷包を乗せた竹行李を担ぎ、杖をついて前屈みに歩く井月の姿は、俳人で医者の下島空谷の絵「井月の面影」を基に作ったという。
 3年前、知人から「井月を彫って見ないか」と空谷の絵を渡され昨年12月から制作してきた。完成品は井月が詠んだ句額がある同庵にぜひ奉納したいとし、庵を保存する地元住民らに思いを伝え、安置してもらうことが決まった。
 奉納式で小田切さんは「これからも井月さんがみなさんの中で大切にされることを期待する」とあいさつ。式に出席した俳人で信州井月会代表の春日愚良子さん(79)=同市美篶=は「没年120年目にして、やっと漂泊の俳人も安住する庵を見つけることができた」と話していた。
清水庵で奉納式を開いた関係者たち

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