上伊那福祉協会が臨時職員を正規職員に登用する制度を来年4月から導入
上伊那地区にある福祉施設10施設を運営する上伊那福祉協会(平沢豊満会長)は来年4月から、臨時職員を正規職員に登用する制度を導入する。原則として3カ月以上勤務している臨職全員が対象。対象となる個人が正規になることを希望すれば、そのまま正規職員に登用する。臨職から正規となった場合、昇給最高額やボーナス支給額が上がるほか、産休、育休の取得もできるようになる。また、正規となった後のキャリアアップへの門戸も開かれているなど、こうした処遇の改善により、人材不足の解消、同職種間の対応格差是正などを図る狙いだ。
養護老人ホーム2施設、特別養護老人ホーム7施設、身体障害者施設1施設を運営する同協会には、正規職員279人、臨時職員136人が勤務しており、そのほかにもパート、嘱託職員などがいる。しかし、全国的な福祉業界の傾向と同様、人材不足の状態にあり、特に臨時職員については募集をかけても応募がない状況。また、職場環境の安定している別業種へ転職することも多く、職員の確保が課題となっていた。
また、臨職の中には正規職員よりもキャリアが長い職員もいるなど、現場で逆転現象を生じていた。
こうした状況を受け同協会では、今回の登用制度導入を検討。30日の理事・評議員会で承認され、来春から本格的導入することが決定した。
現在でも試験を受けて臨職から正規になる登用制度があるが、実際に登用される人数はごくわずかで、狭き門となっている。
同制度導入後は、これまでの正規職員を「総合職」、臨職から正規となった職員を「一般職」とし、総合職は従来通り施設間異動もあるが、一般職は原則その施設内での勤務となる。しかし、一般職の職員でも一定の試験を受け、総合職になることもできる。
現状で対象となる臨時職員は136人。今後、臨職で採用され、勤務期間が3カ月を越えた職員についても、同制度を適応していく。