上伊那猟友会が県の「信州ジビエ衛生管理マニュアル」に関して県へ要請
上伊那猟友会(竹入正一会長)は12月末までに、県が9月に示した野生鳥獣の食肉処理、販売に関する指針「信州ジビエ衛生管理マニュアル」に対し、一定の条件のもと、猟友会員にも狩猟肉の解体を認めてもらうことなどを県へ要請する。
県では急増したニホンジカの適正な保護管理対策を目的としてニホンジカの個体数調整を進める一方、狩猟肉を食肉として有効活用する方法を模索。そこで、衛生的に野生肉を食肉として用いるための指針「信州ジビエ衛生管理ガイドライン」を策定。野生肉の解体処理に関する衛生管理マニュアルを示した。
しかし、同マニュアルは狩猟肉の解体従事者を食肉処理業者に限定し、解体場所も処理施設内のみとなっている(自家用消費は除く)ため、狩猟者が狩猟肉を食用として業者に販売しようとする場合、従来のように射撃後、すぐにその場で解体することはできない。さらに、マニュアルでは品質劣化を避けるために処理施設への速やかな搬入を促しているが、山中で仕留めた獲物を処理施設までに運ぶにはそれなりの時間を要する。長時間内臓をそのままにしておけば肉質が劣化するため、実際に狩猟肉を持ち込んだとしても、買い取り対象とならない可能性も高い。
これを受けて同会では、県のマニュアルに沿って衛生的に解体処理することを条件に、猟友会員にも狩猟肉の解体を認めてもらい、内臓、皮の処理までを屋外で行えるよう要望したいと考えている。
1日の一斉捕獲では、県のマニュアルに沿って実際に屋外での解体処理を実施=写真。この様子を写したビデオテープも県に提出する。
竹入会長は「今のままでは双方にとって不利益。一定の条件のもとであれば、ここまでやっていいという方針を示してもらえれば」と話していた。