羽広の菜洗い場は今年から中止
伊那市観光(社長・小坂樫男市長)は今年から、伊那市西箕輪みはらしファームにある温泉スタンドでの「菜洗い場」の開放を中止する。毎年この時期、温泉スタンド周辺には菜洗いに訪れる多くの人が連なる姿が見られ、冬の風物詩ともなっていたが、今年はひっそりと静まり返っている=写真。
野沢菜などを漬け込むこの季節に合わせて伊那市観光では例年、みはらしファーム内にある温泉スタンド横に菜洗い場を設置し、地域住民に無料開放を続けてきた。
温泉は水よりも暖かく、虫だし効果、菜を柔らかくして漬け易くするなどといった効果があるため、野沢菜漬けを自宅で作る地域住民に重宝されてきたが、一方で菜洗い場を開放する9時から5時までの間、湯量の調整を常に行わなければならない状態にあったほか、くみ上げが追いつかず、各施設への供給が間に合わないことや、温泉スタンドに温泉を買いに来た人を待たせることもあった。
こうした背景から、伊那市観光では今年から菜洗い場を中止。南箕輪村の大芝高原、箕輪町長田の湯などでは洗い場の無料開放をしているため、そちらの利用を促している。
同スタンドを管理する羽広荘の高木支配人は「これまでもずっとそういう状況が続いていた。毎年楽しみにされていた方々もいたと思うが、理解していただけるよう、お願いしていきたい」と話していた。